ささくれ備忘録

主に乙女ゲームの感想・考察を書いています。

地獄の釜の底まで道連れ

なんだかめちゃくちゃ不穏なタイトル(クイーンの曲の和訳にこんなのあったな)にしてしまいましたが、先日更新された金色のコルダ スターライトオーケストラ」7章についてのお話です。アプリゲームの感想とは思えないくらい物騒なタイトルですけど、本編中の言葉を使いたかったので・・・・・・。7章は待ちに待った京都組の登場ということで、見た目から明らかに私のど真ん中、どストライクである浮葉様に期待を寄せていたんですけど、7章・・・・・・皆さん読みました?マ~ジで、期待以上に凄かったですね・・・・・・色んな意味で。

今回はがっつりスタオケ7章の話と、何故か唐突に遙か3の話をするので、ネタバレが嫌な人は気を付けて下さい。

さて、予告動画がアップされた時点で遙かなる時空の中でか?」と多数の方が呟いているのが散見されましたが、7章は確かにこう・・・・・・ガラッと雰囲気が変わり、歴代の遙かをちらちら思い出させるような感じでした。特に浮葉様が歌を詠んだりするので、なんだか懐かしさを覚えてしまいましたね。知らん歌が出てくる度に、これ誰の何の歌?って調べたのが懐かしい。

7章では、意図的にそうしているのかスタオケのメンバーとの交流はほとんど描かれず、あくまで浮葉様と源一郎の主従にかなりフォーカスした感じの印象でした。前回の6章が皆でわちゃわちゃしたシーンを多く入れていたのもあり、打って変わってこちらは少ない人数で話が進んでいった気もします。若干の疎外感というか、線引きのような寂しさを覚えるシナリオなのはやっぱり「敢えて」なのかなあとは思いました。

7章でまず驚いたのは、なんといっても堂本が割と最初から最後まで出張ってきたこと。ちらっとした顔見せ程度かな~~くらいに思ってたので、普通にめちゃくちゃ出てきてびっくりしました。あとはやっぱり、京都の2人が早く仲間になり過ぎというか、スタオケへの加入が早いな!?ということ。まあ仮加入なんですけど、そううまく話がいく訳もないよな、という不審感を与えてきたような・・・・・・考えすぎか?源一郎がスタオケのファンだった、というのも意外ではありましたが、まあそうでもしないと話として接点が無さそうというか。改めて最初から見てみると、浮葉様自身はスタオケに対して(朝日奈に対しても)特に興味無さそう・・・・・・なんですよね。出会いこそ着物を貸してくれたけど、あれ朝日奈が返しに行かなければ浮葉様的にはそのままでも構わなかったのではないかなあ、とか思うんですけど。あくまで「源一郎がそう望むから」たわむれにスタオケに仮加入してくれたというか、そりゃあ4年も付き合いのある弟子と、ぽっと出の朝日奈をまず比べるなという話ですが。この時点の浮葉様は「良い思い出になりそう」とかいう発言をする辺り、長く続ける気も無かったしコンサートが終わったらあっさりお別れをする気でいた気もします。

堂本の登場により、実は浮葉様がずっとリーガルレコードの勧誘を受けていたことを知る訳ですが、ここら辺すごい情報量でしたね。浮葉様のお父さんのことだったり、銀河の過去のことだったり。成宮が姉である小百合(というよりリーガルか)に反逆しようとしているのはまあ個別3話とかでも分かってたので、メインでようやく片鱗出してきたかという感じでしたけど。

金色のコルダという作品は音楽の楽しさ・素晴らしさを描くと同時に、苦悩であったり辛さもしっかり描いてくるんですよね。コルダの好きなところはいくつかありますが、そのひとつがそこなので、めちゃくちゃ信を置いています。まあ、私は全作プレイ出来ている訳ではないのですけど、多分そこはシリーズ通して必ずある部分だと思うので。スタオケに当てはめてみると、皆過去に挫折したことや苦い思いをした経験というのがあって、でもそれでも、皆音楽の楽しさや素晴らしさを知ってる、音楽が好きだなって話の流れで来てたんですよ。6章までは。そんなところに、好きや楽しいの気持ちだけではどうにもならないことがあるってことをここで突き付けてくるのが本当にこう、ニクいというか上手いというか・・・・・・。

ターニングポイント

浮葉様は朝日奈と出会うまでは(スタオケに関わるまでは)、御門の家の滅びを待つことを良しとしているというか、それが定めであるならば抗わずに高潔に散りたい、と考えているのは7章7話の発言からも分かるんです。このとき、浮葉様はリーガルに行くことを全く考えていないし、選択肢のひとつとも捉えてはいなくて、ただただいずれ訪れる「終わり」というのを待ってた訳ですけど。ここが明らかに変わる瞬間が何か、というのを考えてやっぱり9話~10話の辺りなのかなあ。何といっても、11話の浮葉様は既に覚悟ガンギマリ状態というか、「あ、もう決めたんだなこの人」ってのが分かってしまうので。消去法で考えてそこしかないだろうと。

少し整理すると、9話はスタオケの皆とたこパする回。浮葉様の変化、というよりも源一郎の方の描写が多いですが、一緒に皆で演奏をしたりご飯を食べたり・・・・・・そうやってスタオケの皆と仲良く馴染んでいく。源一郎は「楽しそうな浮葉様を久しぶりに見た」とか言うんですけども、これは多分源一郎にも同じことが言える訳で。スターライトオーケストラという新たな場所でのびのびと演奏する源一郎のことを、浮葉様も同じく見ていたんだろうなあ。

10話は堂本と浮葉様の対話・・・・・・じゃないな、お互いの主張ぶつけ合い回?ここの2人は考え方が全然違うからずっと平行線を辿りそうだけど、選び取る手段が結果的に一緒なのが面白い。どちらもリアリストなんだろうなとは思います。9話を経てからの10話、そして11話だからこそ、浮葉様の最終的な決断が「ああ」なんだと納得することが出来る。浮葉様と源一郎の2人は主従ではありますが、同時に「師弟」関係でもあるというのが、またミソなのかな。源一郎は分かりやすく従者として「浮葉様の為に」行動していますが、よくよく見てみると浮葉様の立ち回り方というのも最初っから最後まで「源一郎の為」です。リーガル入りを決断したのも、おそらく果てはその為に、と考えるのが妥当でしょう。すごく分かりにくいけど。

御門の家の存続

浮葉様と源一郎はそれまで、いい意味でも悪い意味でも「二人の世界」だったしそれで完結していた。だからこそそのまま朽ちていくのも悪くない、と凋落の一途を辿ることを良しとしていたはずが、朝日奈始めスターライトオーケストラの出現により、それでは終われなくなる。浮葉様の言葉を借りるのであれば、「欲深くなった」訳ですね。仲間と共に奏でられる音楽があり、穏やかな日々が、満たされた幸せな時間が永遠に続くことを願う。その為に、リーガルに行く。

ここでなんで、リーガルに行くの!?って思うプレイヤーは多いと思うんですよ。そう思うんだったら、なればこそ、何故スタオケではなく演奏者を使い捨てするようなリーガルの方を選ぶのか、と。

それは一重に、御門の家を守る為。ひいては、これから先も音楽を続けていく為。自分たちの、御門の未来の為に、大局を見てスタオケではなくリーガルを選んだのだと思います。このままスタオケに入ったとしても、やっぱり御門の家の問題があり、それはスタオケではどうにもならない。楽しさだけで、それを優先出来るほど甘い世界ではないということを知っているから、浮葉様はリーガルを選んで、スタオケを選ばなかったという、それだけの話です。源一郎とのやり取りに関しては、単純に憎まれ役を買って出たのかなと。こうでもしない限り、源一郎という男が何処までもついて来てしまうことを分かっていたのだと思います。地獄に行くことが分かっているから、尚更そんなところには一緒に行けない(道連れが似合いだとか言われた堂本~~~!って感じですが)。あとはまあ、源一郎が自由にステージに立って音楽が出来る環境に身を置いていて欲しかったのかな。これから先自由に音楽を楽しめなくなる自分の代わりに、とかは分かりませんけど。せめて源一郎だけは、と思ったのか。

スタオケを選ばなかった理由

浮葉様がリーガルに行った理由は分かったけど、じゃあスターライトオーケストラを選ばなかった理由はなんなん?ってことであれば、まあ同じく結局は御門の家復興の為、って名目にはなると思うんですけど。単純に考えて、浮葉様は夢をみるよりも現実を見る人なんだろうなーという印象です。仲間との演奏は楽しいし、「世界に行く」という旗を掲げている様は輝いて見えるけど、その大きな大きな夢に対して実力が伴っているのかと言われれば、多分まだまだ足りていない。これから先の将来性だったり伸びしろというのは確かにあるかもしれないけれど、あくまで可能性の段階で、確定はしていない。御門の家を背負っている浮葉様が、そんなつ沈むとも知れない船に乗り込む訳にはいかないんですよ。だから、スタオケを選ばなかったというよりも、選べなかった。もしかすると、選択肢のひとつとも見られていなかったかもしれない。

7章本編で浮葉様が言ってますけど、スタオケはまだ未熟なんです。今後大成する可能性を秘めてはいるけど、どう転ぶかまだ分からない。これに賭けるほどの大博打は・・・・・・浮葉様には絶対出来ないでしょう。とある場面で源一郎が「無力は罪だ」と言うように、はっきり言って今のスタオケの力では足りない。

すみません、ここで唐突に遙か3を引き合いに出しますが、知盛√の望美ってめちゃくちゃエゴなんですよね。すっごいエゴエゴのエゴ。知盛本人がもう終わらせる気でいるところを、「それでも私は貴方に生きていて欲しい」っていう感情だけで彼を生かそうとする。何度も何度も繰り返して、彼の死よりも生を望むってことは知盛の意思とか全然関係なく、自分の意思を優先させてる訳です。でもこの望美のエゴムーヴが許されるのって、結局望美自身が知盛を圧倒的力で捻じ伏せて、屈服というか・・・・・・納得をさせているじゃないですか。だから、許されるもんだと思うんですけど。

そして7章、この時点での朝日奈やスタオケが「リーガルじゃなくてスタオケに来てください」とかいう望美ムーヴ(エゴエゴムーヴ)出来るか?って言われたら出来ないんですよ。何故なら力が足りないから。そう言えるだけの資格がないからです。力が足りないのに望美ムーヴしたところで、ただ空回りするだけだし誰もついて来ないですよね。だからやっぱり、どう考えたところでここで浮葉様が仲間になる選択肢って存在しないんだろうなあと思います。

それらを踏まえて、パーティ会場での浮葉様のこの言葉がすごく辛かった。

f:id:sasakure_M:20210723225449j:plain

今のスタオケじゃ無理だって、その手を取ることが出来ないんだって、もう手遅れなんだって遠回しに言われてる感じするな~~~!?

あと一番最初に、ってのでもやっぱり知盛・・・・・・とか思い出してしまってすごく落ち込みました。あいつを救えるのは戦いが始まる前、和議を結ぶ√だけ・・・・・・遙かだったらここで時空跳躍するとこですが、逆鱗も持ってないしこれはコルダなんでそんなことが出来る訳もなく。 まあ浮葉様が遙かの世界の人だったらそれはそれでとんでもなく辛いことになりそうなので、やっぱりコルダの世界で良かった。あと浮葉様、コンシューマーだったらめちゃくちゃ攻略難しそうだなあと思います。イベント発生条件がかなりシビアとかそんな感じで。

まあそういう妄言はTwitterの方で呟くとして、今後の浮葉様の登場がめちゃくちゃ気になるんですよね~~。グランツに行くとまで言ったんだから、スタオケに立ちふさがる感じで登場するのかなあとは思うんですけど。他のグランツメンバーとは違い、カードが実装されていたり個別ストーリーがちゃんとある辺り(それは一回は仲間になったから、あの服に袖を一度でも通したからって言われたらお終いですけども)、また仲間になる展開は普通にありそうかなあ。

スタオケがまた力をつけて、グランツと並んでも見劣りしないどころか圧倒するまでに成長出来たら、ようやく大手を振って浮葉様を迎えに行けるのかなあと勝手に未来を想像してしまいます。

改めて、7章を通ったことで御門浮葉という人間のことを見た目とか構成する要素以上に彼のことを知れた訳ですけど、思ってた以上に好きな男だったな・・・・・・と思いました。うまく説明は出来ないのですけど、彼が安易にスタオケを選ばなかったからこそより好きだと認識したというか。

あとネオロマンス、こういう踏み込ませない男度々登場するけど彼もそんな感じがします。攻略メモで「信じちゃいけないよ」って言われたり夕食会で結局質問に答えてくれなくてはぐらかされたりするんだろうなあ。

ところで、7章通って浮葉様の恒常SRを持っている人はカードのストーリー読んで下さいね。7章通ってなくても、どのタイミングであったとしても不自然じゃなく読める話ではありますけど、7章通ったら見え方が明らかに変わるやつなので。なんかもうこうなったら色々と伏線があるんじゃないかとスタオケのシナリオ怖くなってくるんですけど・・・・・・?
とりあえず、色々置いといても次は札幌の2人に結構ビシバシ言われたりするのかな~?と思って期待しています。特に笹塚くん。

 

にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村