ささくれ備忘録

主に乙女ゲームの感想・考察を書いています。

SRX(スカーレッドライダーゼクス)ヨウスケ 感想

4月末くらいからちまちまとプレイして、ようやく折り返しの4人目。

本作のメインヒーローポジションである彼を攻略しました。アニメでも割と主人公的な立ち位置だったし、戦隊モノでもレッドが真ん中というのは定石です。だからストーリーの方も結構王道なのかな、なんて思いながら攻略したんですけど・・・・・・。

確かに、王道な感じだし他の人ではあまり描かれなかった葛藤みたいなのもあって、終盤の展開とか演出もめちゃくちゃ熱くて最高でした。

なんですけど、私割と途中までヨウスケっていう人間のことがよく理解出来なかったんですよね。今まで攻略したヒロ、カズキ、ユゥジにはそれぞれ執着しているものとか、軸みたいなものが分かりやすくあって、ヨウスケにもそういうものがあるのかな?なんて思いながらやっていたんですが、彼はなんというか・・・・・・複雑。

分かりやすいようで分かりにくくて、でも、ヨウスケが行き着く先はいつもシンプル。

もしかしたらSRXの中で一番キャラクターの分析が難しいかもしれないです。私個人の考えなので、他の人はそんなことないのかもしれないですが。

さて、今回はそんなメインヒーロー、ヨウスケの感想となります。

いつもの如く、以下、共通・個別共にネタバレがあるので気を付けてください。

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駒江・クリストフ・ヨウスケ。親のどちらかが外国の方だったのか、目が青い。彼の澄んだ青い目で見られると、なんだかドキッとします。

声は鈴木達央さん。個人的には感情豊かなタイプの役のイメージが強いので、ヨウスケみたいに普段は感情抑えめなタイプは新鮮でした。あまり声に感情が乗らない分、息遣いとか少しの間とか、絶妙でめちゃくちゃ良かったです。

テーマカラーはレッド。赤っていうと分かりやすく熱血!とか、あるいは正義感が強い猪突猛進タイプってイメージが先行しがちなので、ヨウスケのキャラクターはちょっと意外でした。一見クールでマイペース。でも、心の中には熱いものがある。いやまあシンケンジャーのレッドの前例もあることだし、感情抑えめなレッドもそこまで珍しくもないのかもしれないけど。

選択肢次第でヨウスケとは最初山で出会うことになるんですが、そこでの「そんな日陰に山菜は生えない」発言が好きで。これでヨウスケのこと気になり始めました。山菜を採るのにそこにいられると邪魔だから、って転んでいるところを助けてくれるんですが、それを踏まえるなら山菜は建て前で、本当のところは普通に助けてくれたという解釈でいいんだよな・・・・・・?気付いてしまったとき、ただただ萌えましたね。ヨウスケ、コミュニケーションが下手くそすぎる。

そのすぐ後にLAGで再会して、調理室にいるヨウスケに料理を振る舞って貰うという謎展開。共通のイベントでも料理の描写があったので分かってはいたんですけど、ヨウスケってほとんどのイベントで何かしら料理を作っていて、主人公のアキラに食わせてくるんですよ。そのせいか対ヨウスケのアキラも他と比べて食い意地が張っている感じで、面白いです。余程ヨウスケの料理が美味しいんだろうな。

一番最初に料理を振る舞ってくれたときに「後片付け手伝おうか?」の選択肢を選ぶと、ヨウスケが普段皆にそんなこと言われないから、って驚くんですが、詳しく話を聞いてみるとこれが面白くて。ユゥジは最初皿洗いとかを申し出てくれたみたいなんだけど、ヨウスケ曰く「仕事が雑」。そのうえケチで洗剤も少ししか使わないから、結局汚れが落ちきれてなくてもう一回自分で洗う羽目になって二度手間だ、と。思いも寄らぬ暴露にげらげら笑いました。普段家事を手伝わない夫が手伝って、駄目すぎて結局奥さんがもう一回やるあるあるのやつじゃん・・・・・・。ユゥジ、そういうとこありそうなの滅茶苦茶分かる。しかも直前までユゥジを攻略していた分、余計に腹がよじれるくらい笑いましたね。まさかヨウスケのイベントでユゥジのそういう部分言及されるとは思ってもみなかったので、本当に笑った。

ヨウスケって何だろうな・・・・・・戦闘パートではすごく頼りになるんですけど、普通にしていると会話しているだけで独特のペースに呑まれそうになるんですよ。どこまでいってもボケというか、ド天然というか。妙にズレているとこが変にハマる。俺といても楽しくないよな、って途中ヨウスケが言うんですが、全然そんなことない。むしろ、次にどんな台詞をぶっ込んでくるのか見当もつかなくて正直めちゃくちゃ面白いし楽しいです。このヨウスケの独特なペースに呑まれ出すと、もうどんどんハマっていってしまう。いや、どんどんってよりはじわじわかな。じわじわくる、不思議な魅力があるキャラクターです。

彼のイベントは、今まで攻略した3人(ヒロ、カズキ、ユゥジ)に比べてレゾナンスするうえでの葛藤の描写が丁寧でした。レゾナンスをすることで、自分が自分でなくなっていく感覚。どんどんフェルに浸食されていくのが分かって、それを心地いいと感じる自分と、怖いと思う自分がいる。ヨウスケは共通イベントにハコダテの一件(フェルとのレゾナンスがうまくいかなくなるやつ)がありますが、他の人を攻略している状態だと割と唐突に感じて。でも、ヨウスケのイベントを見ているとめちゃくちゃしっくりくるんですよ。

一番最初、ヨウスケがサブスタンスたちにズレを感じ始めるのが、文化祭でのLAG半壊後。グランバッハの襲撃により亡くなってしまったサブスタンス候補たちの為に、ヨウスケはせめてもの手向けに美味しい料理を作ってあげたい、と言います。うまいものも食えずに死ぬなんてかわいそうだから、せめて今からでもうまいものを食わせてやりたいのだと。アキラもその案に同意して、サブスタンスに言ったら喜んでくれるかも、手伝ってくれるかもって話をするんですけど。対するサブスタンスたちは、その感情を全く理解出来ない。死人は料理なんて食えないんだから、そんなこと意味がない、ってフェルもデュセンもディバイザーも、皆口を揃えて言うんです。これはただ彼らサブスタンスが薄情ってことじゃなくて、本来本能の世界に生きていた紅の住人だから、ただの知りもしない同胞には興味がないってことなんですよね。普通に喋ることも心を通わせることも出来るけど、根っこの部分で理解し合えない、ってのがヨウスケにとってはショックだったというか。違う存在なのは知っていたけど、本当の意味では理解出来ていなかった。

そのすぐ後のシーンが個人的にかなり衝撃的で、思わず口を抑えてしまったんですけど、レゾナンスしていない状態なのにもかかわらず、ヨウスケの人格がフェルに浸食されるんですよ。「たしかに、死んだヤツのことなんてどうでもいい」と口走る。あまりのことに絶句しました。しかも、ヨウスケ本人も本当に自分がこれを言ったのか、信じられないって感じで。ヨウスケの意思で発した言葉ではない、完全にフェルに乗っ取られたような発言。滅茶苦茶ぞわぞわしましたね。一番最初にヒロくんを攻略していたときの、レゾナンスもしてないのに浸食されているのを初めて見たのと全く同じ恐怖を感じました。こうやってレゾナンスしていない状態で浸食されるのは個別√に入ってからだと思っていたもので、ヨウスケのあまりの早さにも驚いてしまった。だって、まだTrack07でそんななるとは思わないじゃん・・・・・・。

で、そのことがあってからのTrack08なので、ハコダテでヨウスケとフェルナンデスのレゾナンスが上手くいかなくなったのは、新しいゼノバイザーで融合が進んだから、という理由だけではないことがよく分かります。サブスタンスたちが別の世界の住人ということを思い知らされて、リーブスのあれこれがあって、それでトドメのレゾナンス解除。このことはヨウスケ自身が詳しく説明してくれるんですけど、そうしてそんな状態でも戦いを続けなければならなくて、でもタクトもあんなことになって、本当に駄目かもしれないと思って。でも、サブスタンスたちはタクトの為に泣いてくれたから、だから、どうしても分かりあえない部分があったとしても、多分一緒に戦っていける、と。

この一連の流れがすごく丁寧で、ヨウスケの繊細な感情の機微がうまく伝わってくるんですよね。レゾナンスを繰り返して、自分が自分でなくなっていく怖さ。自分とは全く別の、理解し合えないサブスタンスと身体を共有する気持ち悪さ。それら全てを抱えて、それでも、戦うことを決めるというのがヨウスケの強さだなあと思います。

個人的にヨウスケというキャラクターを解釈するうえで一番気になったのは、というか一番よく分からなくて難しかったのは、「これだけは」というヨウスケにとって譲れないものは何かということ。序盤で似たようなことを書きましたが、今まで攻略した3人には、それぞれ「居場所」・「音楽」・「家族」というものがあったので、結構分かりやすかったんです。でもヨウスケには、そういうものがあるようには見えなくて。ヨウスケはよく料理を作るし、趣味も料理ということらしいので最初、彼にとってのそれは「料理」なのかな?とか考えたんですが、でもやっぱり違う。料理はヨウスケにとっての手段であって、多分執着の対象ではない昔からなんでもそつなくこなせた彼には、何かひとつのものに執着したり情熱を注ぐということが無い。だからこそ、情熱を向けるべき何かをずっと探しているのかな・・・・・・とか私は解釈したんですが。

だったらヨウスケは何故料理を作るのかなってずっと考えていたんですけど、多分いくつか理由があるんですよね。「同じ釜の飯を食う」じゃないですけど、一緒のテーブルについて料理を食べることで全てを分かち合う運命共同体というか、仲間になれると思っている。それと、料理をする時間が一番落ちついていて好き、っていうのは自分のリズムで黙々とやれるからかな。料理はリズムが大切、って最初言ってきますし。それ故自分とはリズムが合わないユゥジとかアキラの手伝いは断る。料理をするときは基本的にヨウスケ1人だから、自分自身と向き合うとか、考えがまとまらないとき、煮詰まっているときにも丁度いいのかもしれないです。

あとは普通に料理自体が好きってこともあるんだろうけど、個人的には「コミュニケーション」であるってのが一番納得しやすいかな。

ヨウスケにとっての料理は、コミュニケーション。他者との対話をするうえで、自分の感情を表現するうえで、必要なもの。だからヨウスケにとっての料理は執着の対象でなくて手段なんですよね。

共通パート、クリスマス前のこの台詞が分かりやすいです。

「俺に出来るのは料理だけだ。だから・・・・・・全力で言うよ。料理を使って・・・・・・あんたにありがとうって」

「心を込めて作った料理になら、きっと心を動かす力が宿るから。俺は・・・・・・そう信じてるから・・・・・・」

一番最初に山で出会ったとき、ヨウスケがあんまりにも口下手なので思わず笑ってしまったんですが、多分彼もそれを自覚していて、だから料理を作っているのかもしれないな。何処か既視感があると思ったけど、先日攻略したカズキもそういう男でしたね。意外な共通点って感じで面白いです。

 

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ヨウスケを語るうえで忘れてはいけないのが彼。ヨウスケの相棒であるフェルナンデス。通称はフェル。

アキラのことを「かわい子ちゃん」と呼んでくるのがなんだか可愛くて、好きでした。

声は竹本英史さん。個人的には三国恋戦記の文若が好きなので、あの声のイメージが強いんですけど、あっちが大分落ち着いたタイプだったのに反してフェルは落ち着きがない。全然違うので、最初は割とびっくりしました。自分が知っているキャラクターの中だと、「遙かなる時空の中で6」の虎とかが声質的には一番近いのかな。あっちの方がやや低めというか、ドスきいてる感じだけど。

性格は、見た目からも分かるように燃えさかる程熱血な猪突猛進タイプ。カラーがレッドといったらこう!というイメージまんまです。一言で表わすのであればオラオラ系?レスポールとよく喧嘩していて、バカナンデスとか呼ばれている。すーぐ頭に血が上る、というか文字通り頭に火が上っています。

愚直なくらいまっすぐで単純だけど、妙に愛嬌があって可愛い部分もあるんですよね。文化祭で自分が作ったやつをアキラが飲むということで、緊張しすぎて「ドキドキ」を口に出してしまうのとか。関係ないけどあそこのフェルの物真似をするデュセンが面白くて好きでした。

フェルはかなり喧嘩っ早いので、ヨウスケが浸食されるとそういう衝動的・破壊的・攻撃的なところが前面に出てきます。普段のヨウスケからは全く考えられない態度は最初新鮮でした。戦闘パート、ゲージがDeath寄りだと聞ける攻撃時の台詞?があるんですが、「見ててくれよ、かわい子ちゃん!」がお気に入りです。かわい子ちゃんとか絶対言わなそうなヨウスケがフェルに影響されて言うんですよね~。

フェルは、普段のちょっとお馬鹿なとこが可愛いな~~とか見ていたら端々で紅の世界の住人だったということを思い知らされて若干怖くなるまでがワンセットって感じはします。文化祭後のサブスタンスたちとのやりとりとかもありましたけど、個人的にはハコダテでのリーブスに対するフェルが一番うわっと思いましたね。リーブスの想いも、ヨウスケのいうことも全然理解出来ずに「ん?薄情ってなんだ?あいつを倒したら教えてくれよ」っていうやつ。

例えるなら、ちょっとガラが悪いけどよく遊んでくれる近所のお兄ちゃんが実はヤクザで、一緒に楽しく遊んでいるところを敵対組織が奇襲をかけてきたので目の前で躊躇なく殺す、みたいな・・・・・・。 いや例えが分かりづらいな。とにかく、住んでいる世界や根本的な部分が全然違うんだなってのを言いたかっただけです。そういう怖さがフェルにはある。この人は自分と考え方が違うんだな、っていう理解出来ないものに対する恐怖というか。

フェルは良くも悪くも、あまり多くのことをごちゃごちゃ考えないタイプです。結論が出ないことを考えたってしょうがないし、面倒だし、多分そういうことを嫌っている。彼の中には、0か100か、そのどちらかしかなさそう。ただその分、これと決めたことにはとことんというか、一直線に突き進む感じなのかなあ。

怖いくらい、痛いくらいにまっすぐなフェルだから、紅エンドがああいう結末に至るのは納得といった感じです。

地球最後の渚

ヨウスケの人格が完全にフェルに浸食されてしまう紅エンド。

Track11だったと思うんですが、そこのスチルに浸食されている状態とされていない状態の差分がありました。紅い月破壊後のスチルしか浸食差分がないと思っていたので、やっぱりメインヒーローポジションはちょっと優遇されているな~~!

浸食されたヨウスケは、「誰にも負けない、誰にもアキラを渡さない」「何があろうと、何が相手でも必ず守る」ということをしきりに言ってきます。アキラを奪おうとするなら、誰であってもぶっ潰す、と。滅茶苦茶すごい独占欲の塊みたいなことを言ってくる。

例え全てを敵にまわしたとしても、アキラさえ守れるのであれば、どうだっていい。相当な覚悟がなければ言えないことだと思いますが、この時点でもう彼は世界とアキラを天秤にかけたとき、どちらを選ぶのかなんて決めてしまっているんでしょうね。

毎回の如く、紅エンドに至る道ではヒロくんが真っ先にやられてしまうので今回もそうかなーと思いながら見てたんですが、まさかのユゥジがやられるという・・・・・・でも、その後に他メンバーの描写がない辺り、既に皆脱落していってユゥジが最後だった、って感じかもしれないですね。あと、またしてもオペレーターくんたちと甘粕くんに貴方だけは・・・・・・!と逃がされてしまって辛かったです。

「さようなら・・・・・・教官!」という言葉を微笑みながら言う甘粕くんが本当に駄目。

ヴォクスが墜ちたのを見て、満身創痍の状態になりながらもアキラを守る為の力を欲するヨウスケ。アキラさえ守れるなら俺はもうなにもいらねぇ、って自分すらも全部投げ出してしまえる彼にうわ~~~っ!!てなりました。その瞬間に信じられない程の力を発揮しますが、それがきっかけで人格はサブスタンスに浸食され尽くしてしまう。

アキラを奪おうとするヤツ、傷付けようとするヤツはみんな敵。敵は全力で潰す、とタクトのことすらも容赦なく倒します。

それもこれも全部、アキラの為なんですよね。あんなに優しかったヨウスケが、自分を守るという、その為にここまで変わってしまって、アキラは泣いてしまう。私もすごく悲しくて泣きそうでした。でも、アキラはそんなヨウスケを受け入れて、彼を選ぶんですね。そして紅の世界が選択される。

シークレット・トラック「地球最後の渚」は、紅の世界が選択された後の、力だけが支配する世界が登場します。ヨウスケは宣言通り、自分とアキラ以外の存在を全て破壊し尽くしたらしく、そこは2人以外誰も存在しない、何もない世界。今までも紅エンドは割と全滅エンドという感じでしたが、いやもうこれは・・・・・・流石にすごすぎる。文字通り2人以外をマジで全滅させるとは思わんだろ。

「ぜんぶぶっ壊して、その先におまえさえいればそれでいいんだ」

といういつかの言葉の通りのエンディングでした。

終末の岸辺から

滅茶苦茶アツくて萌えるよりも燃えた青エンド。ヨウスケがすごく主人公してました。

やっぱり幼なじみというだけあって、ヨウスケもああなってしまったタクトのことを心配しているというか、気に掛けているのが伝わってくるのが良かったです。

「あいつはなんでも1人で抱え込みすぎる。もし今回もそうなんだとしたら・・・・・・ぶん殴ってでも荷物を分けてもらう」

「俺は・・・・・・ずっとタクトと一緒だった。ずっとあいつを信じてた」

「だから今回のことも・・・・・あいつなりになにかあるんだと信じたい」

アニメは実質ヨウスケとタクトがメインという感じでしたが、やっぱここの2人の関係性って特別だよなあ。

ヨウスケ√終盤では、「正しい」とか「間違い」というワードが頻繁に出てきます。タクトの言うことはいつも正しかったから、だからヨウスケにとっての「正しさ」はずっとタクトだったんですけど、彼が紅の世界の住人となり敵対してしまったことで、今まで信じていたはずのその「正しさ」が分からなくなってしまうんですね。何が正解で、何が間違っているのか。何が正しいのか。

あのタクトが間違っているとは思えないし、でも、アキラを渡してしまうことが正しいと言われたって、誰にも渡したくはない。ヨウスケはこういう葛藤が本当にね、いいな~~って思います。というか、ヨウスケって最初に想像していたよりもそんなに強い人って訳じゃなくて、そこが個人的に好きなんですよね。アキラの前だと結構弱音を吐くし、色々迷うし、「怖い」とはっきり口に出してくる。

ヨウスケには執着するものがないんじゃないか、ということを上の方で書いたんですけども。何でもそつなくこなせてしまう故に何にもハマらなかったヨウスケが、初めて情熱を傾けるのがアキラなのかな・・・・・・と私は解釈しています。いやまあそうだとしたら滅茶苦茶萌えるので。ただの妄想ですけど。

あ、あと浸食状態では見られなかったんですが、彼にとっての料理はやっぱりコミュニケーションなんだなー、と分かる会話がありました。

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上でカズキとちょっと似てる、とは言いましたがカズキは基本的には自分の為に音楽を奏でているのに対して、ヨウスケっていつも誰かの為に料理を作っているんですよね。着任したばかりの教官の為に、仲間の為に、そして亡くなったサブスタンス候補たちの為に。だからまあそこが決定的に違うというか、ハコダテでカズキがヨウスケのホットハートが欲しい、と言った理由がなんとなく分かるような気はする。

最終決戦、ヴォクスの機能がほぼ停止し二進も三進もいかなくなるなか、甘粕くんがとんでもない提案をします。動くことが出来ないヴォクスの残存エネルギーをすべて放出し、ノイズレンダーに流し込めば、すさまじい攻撃力を発揮できるかもしれない、と。今まで3人も攻略してきて初めて聞いたので、正直そんなのがあるならもっと早く教えてくれよ甘粕くん!と一瞬思いましたが、これは理論上でも不可能で、見積もっても成功率は0%。そもそも、使用者がそれほどのエネルギーに耐えられるはずもないんだと言われ、まあ素直に受け入れました。

でも、そんなことで諦めるヨウスケではない。「俺のことを信じてくれ」と言われたら、もう秒で信じるしかないです。ヨウスケの「信じてくれ」という言葉は何よりも強く信じられる。あとここ、甘粕くんの「無茶です!・・・・・・と、言って止まる貴女ではありませんよね」がめちゃくちゃ良かった~~!

ヨウスケは主人公パワー的なあれで高エネルギーにも耐えきり、タクトとの決着をつけに彼の待つ場所に行くことに。一緒に来るか?って言ってくれるのがすごく嬉しかったです。他のメンバーも露払いは任せて、って感じで送り出してくれるのが最高。再会した後、ヨウスケとタクトは無言で何度も切り結ぶんですけど、ここの特殊演出が本当にずるくて・・・・・・。

言葉を交わさずに戦うんですが、「剣戟の音から彼らの気持ちが溢れてくるようだった」ということなので、彼らの剥き出しの心みたいなのが分かるんですよね。声もちゃんと入っているので台詞なのかな?と思って最初バックログを確認したんですが、そちらでは一切表示されない。声に出さずに剣戟で会話している、というのがストレートに伝わってくる演出でした。

決着が付いてからのヨウスケとタクトの会話が、すごくすごく良かったんですけど、「僕の過ちを正してくれた」というタクトに、ヨウスケは「ちがうだろ、おまえは間違ってない」と言うんですね。しかもここのヨウスケの声が、心なしかいつもより優しくって。

「ただ・・・・・・選んだ道がべつべつだった」

「・・・・・・それだけのことだ」

の台詞がもうトドメでぼろっぼろに泣きました。タクトのことも救いたいんだけど、そんな道はないのか~~~ッ!?タクトの√以外ではどうしても救えないように出来てるのかな・・・・・・トロフィーで「黄金エンド」の存在だけは知っているので、それに望みをかけるしかないですね。

タクト消滅後、再び窮地に陥るヨウスケとアキラですが、タイミングよく青の世界が選択されたことで危機を脱します。正直、あんな敵が周囲にうじゃうじゃいる中でキスするのには驚きましたが、まあ切羽詰まった状況だからな・・・・・・。

ここでまたちょっと泣いてしまったんですが、青の世界が選択されたことにより、紅の住人であるフェルは消えてしまうんですね。もう滅茶苦茶悲しかったです。今まで全く描写が無かったのでもしかして・・・・・・と予想はしていたんですが、余程特殊な願いとかがない限り青エンドはそういう感じなんでしょうね。こう考えると、カズキの青エンドって大分特殊だったんだな~~。タクトも倒されないし、サブスタンスたちもおそらく生きられるし。

タクトもフェルもいなくなって、あんただけはずっと一緒だというヨウスケの言葉が切ないです。失ったものが大きすぎるよ・・・・・・。

シークレット・トラック「終末の岸辺から」では、ナイトフライオノートたちが消え去った戦いのない世界で、2人海辺を歩いています。べつべつの道を選んでしまっただけのタクトのことを思いながら、彼のピックを海に投げ捨てることで、ようやく彼と決別する。数秒の沈黙の間、ヨウスケは一体何を考えていたんだろうな・・・・・・切なくて、でも何処か爽やかなエンディングでした。

なんかもう毎回青エンドでのタクトのこと考えてはのたうち回っている自分としては、ヨウスケの青エンドめちゃくちゃ良かったです・・・・・・。毎回サンセットブルーバードの夕陽でのあれを必ず見なくてはいけないのとか、紅エンドでも青エンドでもほとんどの場合倒すことになるのとか、すっごいしんどいんですよね。何処か覚えがあるな、と思ったんですけど、「遙かなる時空の中で3」で知盛が毎度毎度身投げするの見せられるのと同じ気分でした。うう・・・・・・タクト・・・・・・でもまあ次の予定はタクトなので、ようやく彼を救えると思うと楽しみです。

 

最後におまけで、戦闘中に好きだったヨウスケとのやりとりをいくつか。

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毎回この最終決戦辺りがアツいやりとりばっかで好きなんですけど、ここのヨウスケの言葉に対するアキラの「もう・・・・・・なってるよ・・・・・・」という台詞に同意しかないというか、マジでシンクロしてました。

あと、最高に痺れたのはこれ。

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これ、「笑うに決まってるでしょ」を選んだ後のヨウスケもカッコいいんですよね。

「勝って泣くのもいいな」って、何~~~!?

地球の命運をあずけられる男ですよ、ヨウスケは・・・・・・。

 

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