ささくれ備忘録

主に乙女ゲームの感想・考察を書いています。

SRX(スカーレッドライダーゼクス)ヒロ 感想

乙女ゲームにおいて、一番最初に攻略するキャラクターってかなり重要だと思います。最初にやった√が楽しければきっと他の√も面白いだろうと期待するし、その逆もまた然り。だからこそ、好きになりそうなキャラクターを敢えて一番最初に攻略するか、もしくは一番最後に攻略するか。なんてことを考えるわけです。

ショートケーキの上のいちごみたいなもんですね。好物をいつ食べるか、決めるのは自分の意思なので必ずしも順番が定められている訳ではない。

実はプレイする前にあらかじめ、ネタバレを避けつつちょろっとおすすめの攻略順とかを調べていました。多くの方が、タクトとヒジリは最後の方が良いとおっしゃるのでまあそうだろうな・・・・・・と思いつつ、ヨウスケもメインっぽいので最後から3番目くらいにやろうかな、と。で、残ったのはユゥジ、ヒロ、カズキの3人。

ショートケーキの上のいちごは最後まで残しておく派の私ではありますが、乙女ゲームにおいては大体の場合好きなキャラを最初に攻略します。

てな訳で、前置きが長くなりましたが、1人目を攻略し終えたのでその感想です。

以下、共通・個別共にネタバレがあります。

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鞍馬ヒロくん。SRXの中でも最年少の16歳ライダー。

声は下野紘さんが担当されてます。見た目も声も、正直私の好みドンピシャですね~。こういう中性的美少年にいっつも惹かれます。あるいは地味目の男。気付いたら、もう本能のままにヒロくんの選択肢ばっかり選んでいた。ゲームの内容的に理性が勝らないといけないはずなんですが、こればっかりは・・・・・・駄目だった。

読書が好きみたいで、彼とのイベントは図書室がほとんどです。本棚をバックにしたスチルが3枚くらいある。最初は着任したばかりのアキラ(主人公)に対してやや懐疑的というか、かなりつんけんした態度をとってきます。

というのも、彼は「自分の居場所」というのに固執しているみたいで、アキラが来る前の、アキラのいない第六戦闘ユニットこそが自分の「居場所」なんだと思っています。だからこそ、新しくやって来たアキラの存在が気に食わない。

終盤のTrackでのヒロくんの台詞が、そのことを分かりやすく表わしています。

「うん。ボクにとって重要なのは、ボクの居場所なんだ」

「そこが在り続けること、そこが壊されないこと、ボクはそのことを一番に考えてる」

最初の方は、仲の良いユゥジに「あの女(アキラのこと)を追い払ってよ」だなんて言っていたり、こっちが何かした訳でもないのに一方的に嫌われている感じです。

うーん、かなりの問題児

そんな彼ではありますが、Track03ハイファイ・ハイウェイでのイベントがきっかけで軟化した態度を見せ、どんどんアキラに懐いていきます。そこから一気に全幅の信頼を寄せはじめるので、プレイヤー的には「いつの間にそんな仲良くなったんだ」と思ってしまうかもしれませんが多分ゲーム内でそこそこ時間が経過している設定っぽいです。

話がぽんぽん進んでいくのと、基本琉球にいるので着任してからどれくらいの時間が経過しているのかというのが分かりにくいのですが(背景が常夏で季節感が感じられない為)、Track07辺りで着任から半年は経っているということが分かるので。

半年もあればまあ、こんなに仲良くなるのも納得出来る・・・・・・かな?

Track06の学園祭イベントで既に、最初の頃を考えると信じられないくらいアキラのことめちゃくちゃ好きなんですよね、ヒロくん。

あとは、他者に依存しがちな傾向があるからなのかなーとか思っています。前述した通り、彼は「自分の居場所」に固執しているので、数少ない心の拠り所である人に対してはかなりべったりな甘えたです。出会いの時点だと、おそらくユゥジがその対象だったんですが多分それがアキラに変わっていったのかと。

個人的にすごく驚いたのがTrack07で、詳細は省きますがヒジリに命の危機が迫り救出しなければならないというときに、ヒロくんを選んだときの態度がかなりすごかった。ヒジリを早く助けなきゃいけない、という状況で急に拗ね出すんですよね。拗ねるというか、まあ見るからにやる気がなさそうって感じで。一部抜粋しますが、こんな態度。

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ようはヒロくん、ヒジリに嫉妬しているんですよね。好きな人があんなに必死に助けようとしているのが気に食わないなーって感じで。いやまあ人命かかってるだろ、って突っ込みたくはなりますが。急にヒジリに対して辛辣でビビった。

着任時のアキラへの態度で排他的なところがあるのは知っていましたが、これは予想以上で本当にびっくりでした。ヒロくんの元々の性格なんだろうなとは思うんですが、もしかしたらこの辺りがヒロくんの紅(S)エンドがああいう結果に至った所以なのかな、と想像してみたり。

 

そういえば、ヒロくんを語るうえで欠かせないキャラクターを紹介するのを忘れていました。

 

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ヒロくんのパートナー、サブスタンスであるデュセンバーグ。通称デュセン。

性別的には男性らしいですが、女性的な言動をします。有り体に言うとオネエ。ヒロくんのお姉さんかお母さんか?ってくらいヒロくんを気遣ってます。

声は高橋直純さん。高橋直純さんというと、個人的には「遙かなる時空の中で」で滅茶苦茶お世話になったという印象なんですが、女性的な喋り方はなかなか聴いたことがなかったのでちょっと新鮮でした。

このゲーム、攻略対象であるメインスタンスだけでなくサブスタンスの声優もかなり豪華なので、そういう部分でも聞き応えあるんですよね。

ゲーム内の設定として、ライダーたちが敵である「ナイトフライオノート」と戦うためには、同一の存在でありながらも味方についてくれている「サブスタンス」の力が必要不可欠。ライダーはサブスタンスとレゾナンス(融合)することによって、スカーレッドライダーとしての力を振るうことが出来るのですが、いつの時代も強大な力には代償が伴うというのが世の常。レゾナンスをし過ぎると、ライダーたちの精神がどんどんサブスタンスに浸食されていきます。

ゲームのシステムにもがっつり関与していて、ライダーの感情を優先するような選択をしていくとLove値が上がり浸食を回避することが出来ますが、感情を無視し戦略的で冷徹な感じの選択をするとDeath値が上がって浸食が進みます。浸食されるか浸食されないかでエンディングが変わるのは勿論ですが、「浸食されているとき」「浸食されていないとき」の差分が豊富

浸食時のライダーたちは片目の色がサブスタンスのカラーに染まり、普段しないような言動をするだけでなく、ライダーたちが喋っている裏で全く同じ台詞をサブスタンスが喋るので、結構分かりやすい。

最初はこの浸食が新鮮でついついDeath値に振っていたんですが、後半になるにつれ発言がどんどん過激になっていくというか・・・・・・これ以上いったら後戻り出来なさそう感がすごいです。

他の人が浸食されたときの口調を見るに、基本サブスタンスにがっつり影響されるっぽいですが、ヒロくんは突然女性的な喋り方をする訳ではないです。彼の場合は、気まぐれさが増すというか面倒くさがりな発言が増える感じ。「世界のことなんてどうでもいい」とか、「2人で逃げちゃおうよ」なんて風に言ってきます。浸食されることによって本能が勝るというなら、これは元々ヒロくんが誰にも言わなかったけど考えてたことなんでしょうか。

Track09の最後で個別に入るというので、あの重大な決断を迫られるシーンでセーブを取っておきました。どちらかのゲージに偏りすぎるのもあまりな~という感じにプレイしていたので、愛と死を行ったり来たりしながらちょうど良い感じで保っていたんですが、個別に入るのであれば一気に偏らせたいなと思いまして。

最初にどちらのエンディングにいくか、かなり迷ったんですが結局私はの方を選んでしまいました。まあ選べるならば悪い方のエンディングから見たい派の人間なので・・・・・・。

キミがココにボクとココで

ゲージがDeathに寄ると到達する、通称紅エンド。Sエンドとも呼ばれているみたいですね。何の頭文字なんだろうって思ったんですが、サブスタンスのSってことでいいんだろうか。Track10に入った時点でほとんどDeathの方に振っていたせいか、レゾナンスをしていないときでもサブスタンスに人格が浸食され始めたときはゾワゾワしました。常のヒロくんも割と毒舌ではありますが、浸食されると更にその毒舌に磨きがかかるというか、かなり悪意のある言葉を平気で吐くようになります。

これを見たとき、確かTrack12の次回予告の声がデュセンだったように思うんですけど、こうなると紅エンド確定ってことでいいんでしょうか。

正直に言って、めちゃくちゃに後味がわっっっるい。BADもいいとこです。終盤、えっとうわあしか言ってなかった。

ざっくり言うと、ヒロくん以外全滅エンド。甘粕くんも、オペレーターたちも、他のライダーも全員死にます。何が辛かったかって、オペレーターくんたちも甘粕くんも、ヴォクスの損傷が激しすぎてもう駄目だ、となったときに「教官、あなただけは・・・・・・!」って逃がしてくれるんですよね。で、その直後に出会ったヒロくんが「ボク以外はもう死んじゃったよ、だからもう一緒に逃げよう」と言ってくる。でもそれって実はヒロくんので、他のライダーたちはまだ戦ってる。2人だけで逃げることで、他のライダーたちも結局本当に死んでしまう、というのが一番うわっと思ったとこですね。何度も言っていますがヒロくんは自分の「居場所」というものに固執しているので、「アキラ」というたったひとつの居場所を守る為に全てを捨てたエンドがこれです。

本当のエンディングにあたるシークレット・トラックが「キミがココにボクとココで」なんですが、戦線から逃げた2人はナイトフライオノートとLAG、その双方に追われることとなります。互いに手を取り合っての逃避行・・・・・・と見ると一見素敵ですけど、アキラの様子がもう大分おかしい。ヒロくんと一緒だったら何処でもいいよ、って感じににこにこ笑いながら言うんですが、完全に心が壊れてしまってます。あと、ヒロくんももう完全にサブスタンスに浸食された状態なので下野紘の声じゃなくて高橋直純の声で喋り出したのは思わずね・・・・・・ああ~って声が出た。それから、キスするときのスチルでいつもは髪で隠れてる方の目も見えるんですけど、そっちの方の目もピンクに染まってしまっているのを見たときはもう取り返しつかねえなってなりました。

退廃的というか、刹那的というか。「終わりの見えている幸せ」って感じのエンディングです。

ヒロくんはアキラのことをいつもアキラ「さん」と呼ぶんですが、最後アキラ「ちゃん」と呼んできた瞬間「あー自分の知っているヒロは本当にいなくなっちゃったんだな」感がありました。

ボクたちの物語

本能ではなく理性の方が勝利する通称青エンド。彼の元の人格のまま結ばれるので、おそらくメインスタンスのMからMエンドとも呼ばれています。セーブデータをロードして、Track09の最後からやり直しました。紅エンドで心をめっためたにされたので、もうずっとLoveの方にゲージを振りまくった。

するともう全っ然違いました。図書室でレゾナンスをしていないにも拘わらずサブスタンスに浸食されることもありませんし、発言がいちいち・・・・・・健気。

「信じてくれて、ありがと。今だけじゃなくて、今までずっと」

「あなたがそれを望むのなら、ボクはがんばれるんだ!」

「待っててね。きっと帰ってくる。あなたのことが好きだから、ボクはがんばれるよ」

もう本当にね、可愛い。頬が緩みまくります。直前にあの紅エンドを見てしまったこともあり余計に、こう言ってくれるのが嬉しい。彼が彼であるというだけで、こんなにも嬉しいとは・・・・・・。

あと、月でタクトと話すときのヒロくんが印象的でした。浸食されているときもタクトと話すシーンはあったんですけど、こちらの方がずっと強く印象に残ったかな。タクトのやり方ではアキラを救うことは出来ない、って面と向かって言うんですよ。あのタクトとバチバチにやり合うようになったか、と感慨深いものがありました。ボロボロになっても、何度も何度も立ち上がって絶対に諦めないヒロくんは本当にかっこいい。戦いに決着が付いた後タクトに掛ける台詞も、すっごく良かったです。

「・・・・・・さようなら、タクト。ボクの大切な人を愛した君のこと、忘れないからね」

こっちのヒロくんは一人の男としてすごい成長を遂げている気がするんですよね。第六戦闘ユニットの中で一番伸び代がある子だと思う。

戦闘終了後にキスをするんですが、そのとき謎の黄金の光が放たれてナイトフライオノートたちがどんどん消滅していきます。どういう理屈かは分かりませんが、キスしたことでヒロくんを選んだことになり、そしてそれが青の世界を選択したということで紅の世界が消滅・・・・・・ってことらしいです。先に見ていた紅エンドでは全く説明がなかったので意味不明だったんですが、これを踏まえると紅エンドで完全に浸食されたヒロくんとキスしたときは紅の世界を選択したってことになってたんだろうか。

他のライダーたちやオペレーターくんたち、甘粕くん全員生きられる運命に辿り着けて本当に良かったな・・・・・・。

青エンドのシークレット・トラックは「ボクたちの物語」。このタイトル、Track11での図書室の話を受けてるのかな~って思います。ヒロくんが羨ましがっていたハッピーエンド、きっと辿り着けたよね。

今までずっと、閉じた小さい世界で生きていたヒロくんが、自分のまだ知らないもの、知らない世界を見てみたいということで旅に出ます。生き残ったISの皆が、ヒロくんとアキラの旅立ちを見送ってくれるのがいい。青空がバックのスチルが綺麗で、すっごく爽やかな気持ちになります。紅エンドとはえらい違いだ。あっちではアキラひとりを自分の居場所として定めていたけど、こっちは「一番大切なアキラを含む皆がいる場所」を居場所として定めているんだろうな。

このふたつってかなり対照的なんですよね。たったひとつのアキラという居場所に閉じこもり続けるエンディングと、一旦かつての居場所を離れてアキラと2人旅立つエンディング。どちらのエンディングであっても、っと一緒だよ、離れないでねって感じには至るんですがこうも違うとは。

青エンドのスチルを見たときに気付いたんですけど、紅エンドでのキスを含めヒロくんは計3回キスしてくれるんですが、そのどれもがアキラの肩にそっと手を置いているんですよ。気付いたときは果てしなく萌えた。個人的には青エンドに至る前のキスのスチルが縋り付いてるみたいな必死さがあって好きですね~~。

そういえば、vita版はおまけのエピソードが25本存在しているそうで、てっきりヒロくんの紅と青、どっちもクリアしたらエピローグが開放されるかと思ってたんですが開放されませんでした。他に条件とかあるんですかね?エピローグ絶対見たいので、周回頑張るか・・・・・・。

 

「ダメダメだよ」ってのがヒロくんの口癖で、ゲームをやっていると事あるごとに言っているのを耳にするんですが、確か浸食された状態では全く言わないんですよ。本当に、Deathが高い状態だと一切聞かない。その代わり、Loveが高いとめちゃくちゃ聞けます。浸食されてるときの自信とか余裕たっぷりって感じも悪くはないですが、やっぱりね、自分のことをダメダメだって言えちゃう彼が一番好きです。

私が彼に感じている伸び代の理由がそこなんですけど、自分のことをまだダメダメだ、って思っているうちは向上心があると思うんですよね。

「ダメダメだよ」って言えるヒロくんは、全然ダメダメなんかじゃない。

 

 

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